コミュニケーションを実地で鍛えられる
2020/08/16
プロジェクト・マネジャー時代
大手総合電機メーカーに就職し、プロジェクト・マネジメントをするための部署に
配属された私は、実地で厳しく鍛えられました。
私のポジション
物流会社に納入するシステムを開発するプロジェクトを進める中で、
私がコミュニケーションを取っていた、社外・社内の関係者を挙げると
下記のとおりです。
社外関係者として、
- 協業してシステムを開発している某大手通信会社のエリート課長様
- システム納入先の物流会社の現場主任のあんちゃん
- 人と接するのがイヤでトラック運転手になったおやっさん達
社内関係者として、
- 設計部門の課長
- 製造部門の主任
- 品質管理部門の課長
- 現地工事の主任
- 現地調整の主任
- それぞれのエース級の担当者
です。
このように、
- 立場も違う
- 使う言葉(専門用語、業界用語)も違う
- 習慣や文化も違う
- 何もかもが違う
企業、バックグラウンドの人たちの集まりです。
このようなメンバーとコミュニケーションを取りながら、
その人たちに動いてもらって、システムを作ったり、運用したりするポジションでした。
しかも、指揮・命令系統で動かせる間柄ではないので、信頼関係、人間関係を作って、
お願いベースでプロジェクトを進めていかないといけないワケです。
さらには、現場でプロジェクトを進捗させる役割の私は、
(なんと!)最年少だったのです。
現場の洗礼
私たち開発チームは、
物流会社の現場の片隅に置かれたプレハブ小屋で作業をしていました。
最初はスーツで現場に入っていたのですが、
トラック運転手のおやっさん達は身構えてしまって、遠巻きに、煙たそうに、
こちらを見ている始末です。
運転手のおやっさん達からすると、
私は「スーツ族の人」ということになってしまったのです。
私は、運転手のおやっさん達に、
開発しているシステムの運用テストに協力をお願いする立場でした。
「これではまずい」と思い、翌日から作業着を来て現場に入り、
おやっさん達に声を掛けるようにしました。
作業着を来ている私は、運転手さん達に「仲間」として認識してもらえたのです。
最終的には、
毎朝わざわざプレハブ小屋に入ってきてまで挨拶をしてくれるようになったり、
缶コーヒーを差し入れしてくれるようになったり、
というほど親しくしてもらえるようになりました。
今であれば、ラポール*を築くためには、会話の内容や態度だけでなく、
服装も大きな役割を果たすことは理解していますが、
当時は試行錯誤する毎日でした。
この後、開発していたシステムを完成させ、他の物流会社にも広めることとなりました。
私は、営業担当者と一緒に物流会社を尋ね、
システムのプレゼンテーションをする役割となります。
ここでの失敗から学んだことも印象的でした。
- 基本情報
- コミュニケーションを実地で鍛えられる
- コミュニケーションを失敗から学ぶ
- 心理学とコミュニケーションを学び始めたころ
- 心理学とコミュニケーションを学んだ成果
- コミュニケーションと心理を教える側になる